加入者のサービス向上とは関係のない猛烈営業

代理店型自動車保険の保険料には勧誘を行う代理店のマージン(代理店手数料)、社員の営業のための経費などが含まれていて、それが保険料が通販型より高くなる原因になっています。

代理店のマージンについては別のページでとりあげますが、ここでは自動車保険を販売する損保会社の営業とはどんなものかをとりあげてみましょう。

自動車保険では日本最大手の代理店型損保の例です。

「『ゴルフは出来る?』『麻雀は強い?』『酒はどのくらい飲める?』 新入社員は全員、部署に配属される前の人事部との面接で、必ずこの3つを聞かれる。
販売代理店によっては、これらが業務遂行上、必須のスキルとなるからだ。
最も厳しいのは自動車ディーラー担当の営業部門D。
ディーラーの社長と飲みに行くのが日課となる社員もいるという。
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Dは特に、ゴルフ、酒、麻雀といった接待が必須となるケースが多いため、人事としてもその情報を知っておく必要がある。
釧路のあるディーラーの担当者は、必ず2年で替えているという(異動は3~5年単位が普通)。
連夜の社長との飲みなど、関係構築のための接待が厳しいため、2年しか体が持たないというのがその理由である。」
(My News Japan のマイニュースから引用)

「D」というのは引用の中でも触れられているように自動車ディーラーを担当する営業部門のことです。

なぜこのような営業が必要になるのかは次の引用でわかります。

「Dは自動車ディーラー専門の販売代理店を担当する部門。
Pと同様、全国の支店に組織が分かれており、トヨタ系ディーラーなど、1人あたり10~20の自動車ディーラーを担当し、自社の自動車保険や自賠責保険を売ってもらう。
ディーラーが車を売る際、既に他社の保険に入っていたら、自社に乗り換えるようにインセンティブを与えたり、そのディーラーが東京海上に保険を集約することで手数料率を上げるといったメリットを訴えたり。
個人ユーザに対して保険の勉強会を開くこともある。
 とはいえ、自動車を買う人はディーラーの勧める商品を購入する傾向が強いため、どの保険会社の商品を勧めるかは、ディーラーの胸先三寸である場合が多い。
このため、各社の営業担当者によるサービス合戦になりやすい。」

つまり、自動車ディーラーは複数の損保会社と代理店契約を結んでおり、車の購入者に自社の保険を勧めてもらうためのサービス攻勢が損保の営業担当の仕事なのです。

それにしても2年で体が持たなくなるような営業って凄いですね。

損保の営業に感心している場合じゃなくて、ここで言いたかったのは、

こうした営業のための人件費や接待費等もすべて契約者の保険料で賄われている

ということです。

ディーラーがどの保険を勧めるのかは車の購入者にとってはほとんど関係のないことなのですが、その顧客とは無関係なところで損保社員が体を痛めるほどの猛烈な営業を行なっているわけです。

通販型との比較で言えば「このような顧客サービスと関係のない営業経費のために保険料を払いたいと思いますか?」という問いかけになると思います。

通販型の自動車保険は、まさにこのような営業コストをスッパリと省略して保険料を安くし、勧誘は基本的に広告で行うという新しいスタイルで従来の損保業界の土手っ腹に風穴を開けたのだと思います。

通販型の中には保険料を安くするために広告さえ行わないという損保会社(SBI損保)さえあるほどです。

若い頃、職場に良く来る生保レディーを見て「何で彼女たちの人件費や海外旅行のために高い保険料を払わなければならないんだ」と思ったことがありましたが、代理店型自動車保険でも眼に見えない所で猛烈な営業が行われ、そのコストを保険料の形で加入者が負担させられているのです。

別ページで触れる代理店マージンにしろこの営業経費にしろ、代理店型の保険料を押し上げているコストは顧客サービスとはほとんど関係のないものだということが問題だと思います。

このようなことを知ってからは、代理店型自動車保険への見方がすっかり変わってしまい、今では全く選ぶ気になれません。

自動車ディーラー勤務などで任意保険成約のマージンを身をもって経験したことのある人は、「こんな中間マージンのある保険には入らない」と自分の保険は通販型しか選ばないそうですが、全く同じ気持ちだと思います。


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