専業代理店の他者批判がブーメランになっている

yahoo知恵袋などで、通販型への加入を考えている人に対して、代理店の方が答えるの回答には次の引用のようなパターンがとても多いです。

言い方は色々ですが、ほぼ同じような趣旨で「自動車保険の知識がないなら通販型はやめなさい」と言っているコメントをたくさん見かけます。

まずは典型的な回答例を引用してみますので、どんなものか読んでみてください。

「安さを求めるのなら通販をお勧めします。
ただし、貴方が世界一複雑な日本の自動車保険を徹底的に勉強し、
自動車保険の規定、約款・特約などに関し、
どんな疑問にも答えられるような知識を得てからです。
さらに、事故に遭っても、誰も相談・助言をしてくれる人がいないので、
事故処理のノウハウも勉強する必要があります。
以上を経て、通販加入をするようにしてください。
通販の落とし穴に嵌る人はすべて、これらの知識がないままに加入するからです。
是非、頑張ってください。」

読んでみてどう感じたでしょうか。

一見丁寧で親切に説明しているように見えますが、実は「保険の知識や事故処理のノウハウが完璧でなければ『落とし穴』に嵌りますよ」と脅されているように感じませんか。

そして一般人がそんな勉強などする気になる訳がないと計算ずくの上で「是非、頑張ってください」と皮肉たっぷりの捨て台詞まで付けています。

こう言っておけば怖気づいて通販型はあきらめるだろうという魂胆が見え見えで、「これを買わなければ家族に不幸が訪れますよ。」という○○商法のような卑しささえ感じるのは私だけでしょうか。

■ウソをちりばめて一般人の怖気を煽っている

上記のコメントには、いくつかのウソがちりばめられています。

そのウソを背景にして保険に詳しくない一般人が通販型を選ぶ際の怖気を煽っています。

まず第一に通販型自動保険の「落とし穴」などあり得ません。

そのような「落とし穴」のある自動車保険だったら厳格な金融庁が保険事業として認可するわけがありません。

むしろ知識の乏しい副業代理店の問題や多額の保険金不払い問題で、金融庁から勧告されたり業務停止命令を受けているのは代理店型のほうです。

二つ目は、「事故に遭っても、誰も相談・助言をしてくれる人がいない」というウソです。

通販型自動車保険は確かに代理店はありませんが、保険会社による事故直後の初期対応(初動対応)はむしろ代理店型より優れています。

通販型の初期対応は全社が土日、祝日でも対応しており、事故の連絡をすれば事故受付と同時に保険会社事故担当による相手方への連絡、レッカーの手配、代車の手配、医療機関への連絡などの初動対応が行われ、もちろん不明な点の相談をしたりアドバイスを受けたりすることも出来ます。

連絡しても保険会社に取り次ぐだけのディーラー代理店よりも遥かに頼りになります。

ちなみに代理店型でも初期対応は行われていますが、土日、祝日の対応を明記している保険会社は見つけることが出来ませんでした。

三つめのウソは「事故処理のノウハウも勉強する必要があります」という件です。

代理店型だと代理店が事故処理をするので勉強の必要がないと言いたいのでしょうが、この方は代理店による事故対応が弁護士法に触れて違法になることをご存知でしょうか。

弁護士資格のない代理店が契約者に代わって示談交渉などを行うのは「非弁行為」として保険会社からも固く禁じられているはずで、それを知っていながらこのような言い方をするというのは意図的で悪質なミスリードだと思います。

そもそも通販型だって示談代行型の保険であり、なぜ契約者が事故処理のノウハウを勉強しなければならないのでしょう。

示談代行型では事故対応を保険会社の事故処理担当が行うのは代理店型でも通販型でも全く同じなのですから。

四つめはウソというより欺瞞といった方がいいかもしれませんが、「自動車保険の規定、約款・特約などに関し、どんな疑問にも答えられるような知識を得てからです。」という部分です。

「私たち代理店は『どんな疑問にも答えられるような知識』を持っている」と言いたいのでしょうが、しからばあなた方が「トンネル代理店」と呼ぶディーラー、修理工場など副業代理店や専業でも頼りにならないダメ代理店の場合はどうなのでしょう。

代理店型自動車保険の場合は、9割にもなると言われるこれら「トンネル代理店」で加入するケースが遥かに多いのですから、むしろ代理店型の方が「自動車保険を徹底的に勉強」しなければならない保険だということになりませんか。

なにしろ「トンネル代理店で加入するなら通販型と同じ」とまで言うのですから。

「通販の落とし穴に嵌る人はすべて、これらの知識がないままに加入するからです」と言いますが、この論法でいくと代理店型に加入する人の大部分も「落とし穴」に嵌ってしまうことになります。

任意保険をディーラーなどの代理店任せにするような人は「自動車保険を徹底的に勉強」することなどある訳が無いのですから。

現実にはどうかというと、何も猛烈に勉強しなくたって、普通に半日でも調べ物をすれば、通販型自動車保険でも内容を理解しネットで契約することは面倒なことではありません。

通販各社のオペレーターは女性が多いですが自動車保険に精通しているという感じで、下手な代理店などよりも遥かにわかりやすく説明してくれアドバイスもしてくれます。

補償の組み立てや限度額の設定についても相談に応じてくれますし、オペレーターからアドバイスを受けながら必要事項の入力をしていくといったことも可能です。

代理店型からの切り替えなどの場合はもっと簡単で、今の補償内容に不満が無ければ全く同じ補償内容で通販型に切り替えることも出来ます。

「保険設計」などと大げさな言い方をする方もいますが、「対人:無制限、対物:無制限、人身傷害:3千万円」という基本パターンはどの保険会社でもスタンダードにしていますし、ネットで少し調べるだけでこの三つが自動車保険の基本なのだということを理解することができます。

あとは事情に応じて車輌保険をどうするのかだけです。

対人、対物は事故の相手方の補償、人身傷害は自分の側のケガなどの補償ということが頭に入っていれば、保険屋でもない人にそれ以上何の知識が必要なのでしょうか。

■保険をわざと難しくしようとしている

自動車保険が簡単で誰でも通販型に加入できるようになれば自分たちの存在意義が無くなり顧客が減ってしまうという代理店の方々の心配はわからないでもありません。

しかしその心配のあまり、通販型の登場などでせっかく一般の人にもわかり易いものになりつつある自動車保険を、無理やり難しいものにしようとしているのが専業代理店の方々ではないでしょうか。

通常の業界であれば、自分たちの商品を良く知ってもらい親しんでもらうことが売り上げの増加につながるのですが、専業代理店の方々は自動車保険を素人の手には負えない難しいものにして置きたいという風に見えます。

そして専業代理店の方々は、通販型ばかりか同業者である副業代理店、弱小専業代理店までも「トンネル代理店」と悪し様に言い、そのブーメランを食らっているのだと思います。

ディーラー代理店など片手間の代理店の悪口を言うことが、自分の商品でもある代理店型自動車保険そのものを貶めていることに気付いていないのでしょうか。

いや、気付いていて、全体のことなどどうでも良く自分だけ儲かればそれで良いと考えているのでしょうか。

東京海上日動の専業代理店が、同じ東京海上日動の副業代理店のことを「トンネル代理店」と悪く言うというのは、例えばホンダ系列の新車ディーラーが、同系列の他のディーラーを指して「あそこで販売しているフィットは欠陥車だから買わない方がいい」と言っているようなもので、普通の業界ではあり得ないことだと思います。

本当にホンダのディーラーがそんなことをしたらメーカーのブランドを傷つけることになり大問題になると思いますが、損保の代理店の間ではそのようなことが平気で行われています。

自動車保険代理店としての自らの有様に本当に自信と誇りがあるのなら、同業者の悪口など言わず、堂々と顧客を増やして行けばいいのではないでしょうか。

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