むしろ代理店型の方が保険金不払いの心配が大きい

ネットのQ&Aなどで「格安の通販型はいざというときの保険金出し渋りの心配がある」という趣旨の回答を見かけることがあります。

また「事故の時のことを考えたら通販型はやめた方がいい」というような回答もかなり多く見かけます。

まるで通販型の任意保険は、事故が起こって保険金の請求をしてもまともな保険金支払いが行われないかのような言い方ですね。

このような回答をするのは専業の代理店の方がほとんどのようですが、本当にこのような「保険金出し渋り」のようなことがあるものでしょうか。

もしそのようなことがあったら、自動車保険事業を認可、監督する金融庁が放って置くわけがありません。

現実にはどうなっているのか、過去の事実などから検証してみましょう。

■総額で約49万件、380億円の保険金不払い額が判明

自動車保険の保険金の出し渋りというか、保険金不払いで問題になった例として、2005年~2007年に発覚した自動車保険などの損保保険金不払い事件が有名です。

このときは自動車保険の特約を中心に総額で約49万件、380億円にも昇る不払い額が判明し、多くの損保会社が金融庁から処分を受けまあした。

特に不払いが悪質だということで業務停止命令の処分を受けた保険会社もあり、その顔ぶれは次のとおりです。

東京海上日動火災保険    3ヶ月間の業務停止
日本興亜損害保険      3ヶ月間の業務停止
あいおい損害保険      1ヶ月間の業務停止
富士火災海上保険      1ヶ月間の業務停止
共栄火災海上保険      1ヶ月間の業務停止
日新火災海上保険      1ヶ月間の業務停止
損害保険ジャパン      2週間の業務停止
三井住友海上火災保険    2週間の業務停止

いずれも代理店型自動車保険の保険会社ばかりですが、これらのうちの大手6社だけで保険金の不払い額は約38万件、294億円にも昇りました。

代理店型大手6社だけで380億円のうちの294億円ですから、全体では不払い額のほとんどが代理店型損保各社によるものであったことがわかります。

もちろん通販型各社も不払い案件が皆無だったわけではなく、各社とも勧告などの処分があったのですが業務停止命令を受けるような保険会社は1社も無く、この不払い事件の主役は圧倒的に不払い金額の大きい代理店型損保各社でした。

その後、2014年2月にも、代理店型最大手の東京海上日動の不払いが更に14万5000件も判明し、永野社長の会見をテレビで見た方も多いかと思います。

■保険金不払いのリスクは代理店型の方が大きい

不払いになったのは「対人臨時費用」「対物臨時費用」「人身傷害臨時費用」などの付随的な保険金がほとんどであり、契約者から請求がなかったことを理由に支払っていなかったケースだといいます。

代理店の方は良く「通販型より代理店型の方が特約などの補償が充実している」という言い方をしますが、充実して複雑になった特約が保険金不払いの原因になったという笑えない話になっています。

また「いざというときは身近に代理店がいる代理店型の方が安心」と言いますが、代理店のほとんどは事故の時の保険金請求のアドバイスさえも行っていないというのが現実だということがわかります。

「代理店に任せれば安心」どころか代理店任せにしたからこそこれほど巨額の保険金不払いが発生してしまったのです。

このように事実関係を整理してみると、「通販型は保険金出し渋りの心配がある」どころか、そう主張する代理店が扱う代理店型自動車保険の方が遥かに不払いのリスクが大きいということになります。

つまり「通販型は出し渋りが心配」という話は、全く根拠のない非難であり、悪意さえ感じるディスリスペクトだと思います。

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