小さな事故で車両保険を気軽に使えなくなった

2012年は任意保険の大きな改正が行われた年で、その改定は大きく分けて次の四つになります。

①ノンフリート等級による割引率を3年間かけて新しい率に変更。
②2013年から「事故有等級」という事故時のペナルティーが大きい等級を新設。
③等級据え置き事故の廃止。
④「1等級ダウン事故」を新設。

①は実態に合わせた合理化ですが、②~④は事故時のペナルティーが大幅に厳しくなる改定です。


等級ごとの割引率を3年間で変更

まず一つ目の割引率の変更ですが、

これは割引率の変化カーブを実態(リスク曲線というそうです)に合わせるための改定だと説明されています。

6等級以上で言えば、6等級から13等級までは従来より割引率が大きくなり、15等級から19等級までは割引率が小さくなり、14等級、20等級は変わらずという内容です。

たとえば、7等級の割引率は、変更前の23%が2013年10月から28%、2014年10月から29%、2015年10月から30%と、3年間で23%から30%に変更されます。

逆に19等級の場合は、61%→59%→57→55%と3年間で割引率が6ポイントも下がってしまいます。

全体的に言えば、運転暦の短い人の割引は大きくなるがその代わり等級が上がった時の割引率の上がり幅が小さくなるという姿になります。


「事故有等級」の新設

二つ目の「事故有等級」の新設は、事故で保険を使った場合のペナルティーが大幅に厳しくなる改定です。

従来も事故による3等級ダウンはありましたが、それは通常等級での3等級ダウンでした。

2013年10月からは、通常等級から事故有等級に移って3等級ダウンすることになります。

事故有等級というのは通常等級より割引率が20ポイント前後も低い等級ですから、事故で保険を使うと、まず割引の低い事故有等級に3年間移ってしまう上に、その事故有等級上で3等級ダウンするという、ダブルのペナルティーを受けることになったわけです。

たとえば52%割引の16等級の人であれば、事故有等級(16等級の割引36%)に移って3等級下の12等級(割引率29%)になりますので、52%→29%と割引率が23ポイントも小さくなってしまいます。

事故前に50,000円程度の保険料の人だと、この割引率の低下によって保険料は74,000円程度に跳ね上がることになります。

事故前に16等級であった人の割引率の推移は次のようになります。

通常の16等級 52%→<保険使用>→事故有13等級 29%→事故有14等級 31%→事故有15等級 33%→通常16等級 52%

このように、3年経てば通常等級に戻りますが、保険料を使わない場合の20等級からみた4等級の等級遅れは20等級に上り詰めるまで続きます。

事故前の保険料が50,000円程度という上記の例で言えば、事故後20等級になるまでの8年間このペナルティーの影響が続き、ざっと計算してみると影響額の総額は11万円を超えることになります。


免責なしで車両保険を付けても意味がなくなった

10万円を越す影響額は何を物語っているかといえば、10万円未満の損害程度で車両保険を使うと保険料の増加額の方が大きくなって損になってしまうということです。

従来でも数万円程度の損害額だと代理店から「等級ダウンで保険料が高くなるから保険を使わないで直した方が得ですよ」と言われるケースがありましたが、この車両保険を使うか使わないかの境界線が10万円以上になってしまったということになります。

どうやらこれからは車両保険に対する考え方を切り替える必要があるようです。

クルマの任意保険は10万円以上の損害出なければ保険金請求をしないことを前提にして車両保険を付けないと、何のための保険なのかわからなくなってしまいます。

具体的には、車両保険の免責金額を10万円にして保険料を安くするということになるでしょう。


等級すえおき事故が廃止され1等級ダウン事故に

従来の等級すえおき事故の場合は、保険を使っても次の契約で等級ダウンはしないので車両保険を使っても大幅な損をすることはありませんでした。

ところがこの等級すえおき事故が廃止され1等級ダウン事故になったため、1年間とはいえ事故有等級での1等級ダウンになってしまいますので、割引率が大幅に下がってしまいます。

3等級ダウン事故ほどではないですが割引率が20ポイントほども下がってしまい保険料への影響は小さくありません。

この改定によっても、翌年の保険料との兼ね合いから車両保険を使わないというケースがとても増えると考えられます。

そうなることが今回の改定での損保各社の狙いなのかも知れません。

3等級ダウン事故といいこの1等級ダウン事故といい、損保各社はペナルティーを厳しくしてできるだけ車両保険を気軽に使わせないようにしているのではないかと思われるふしがあります。

まとめ

2012年~2013年にかけての等級制度の改定により、事故によって保険を利用したときのペナルティーが大幅に厳しくなりました。

私たち任意保険加入者は「任意保険は10万円を越すような損害の時に使うもの」というように意識改革を迫られている気がします。

従来の任意保険でもそういう面はありましたが、事故有等級の適用、等級据え置き事故の廃止によりそのことがはっきりし、迷う余地はなくなりました。

免責金額を設定しない車両保険はまったく意味をなくしてしまったといっていいでしょう。


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