? 任意保険の等級ダウンで車両保険が使えない?

事故有等級の3等級ダウンで影響が10万円を越す

軽自動車の任意保険には「ノンフリート等級」という等級制度があります。

初めて任意保険に加入するときに6等級から始まり、1年間無事故を続けるごとに1等級ずつ等級が上がって保険料の割引率が大きくなり、保険料が安くなっていくというしくみです。

2013年10月から、この等級制度に「事故有等級」の新設という大変革がありました。

この「事故有等級」の適用で、事故を起こした時のペナルティーがこれまでよりかなり厳しくなったのです。


保険を使えば事故有等級に移って3等級ダウンするというダブルパンチ

2013年10月以前も、事故などで保険を使えば3等級ダウンする制度はありました。

例えば17等級(割引55%)であれば3つ下の14等級(割引49%)に下がって割引が6ポイント減り保険料が高くなりました。

ところが2013年10月からは、事故有等級というペナルティーの強い等級に移ってから3等級ダウンになるのです。

上の例で言えば17等級(割引55%)から事故有等級の14等級(割引31%)になって割引率が24ポイントも減ってしまうのです。

この事故有等級は事故の翌年から3年間適用され、4年目からやっと通常の等級に戻ることができます。

上の例で言えば次のような経過をたどることになります。

通常17等級 ⇒ 事故有14等級 ⇒ 事故有15等級 ⇒ 事故有16等級 ⇒ 通常17等級

事故有等級の割引率はどの等級でも通常の等級より20ポイント前後低いものになっています。

事故を起こした翌年から3年間のペナルティーが、割引率にして20ポイントほど従来より厳しくなったというのが事故有等級の新設だというわけです。


新しいペナルティーの影響額はどのくらいになるのか

この厳しくなったペナルティーの影響額はどの程度のものになるのでしょうか。

16等級、車両保険を想定して保険料が年額5万円の場合でシミュレーションをしてみたことがあります。

その時の結果は次のようなものでした。

事故翌年は17等級で48,958円になるはずの保険料が、事故有等級の13等級になり73,958円に跳ね上がって、影響額は25,000円ということになります。

以下2年目23,959円、3年目22,916円と同じように計算して、事故の翌年から3年間の影響額は71,875円となります。

このほか、4年目以降も等級が3等級あと戻りした影響が上限の20等級になるまで続くので、その影響額が4年間で39,639円になります。

つごう7年間で等級ダウンの影響額は、111,460円という多額なものとなります。

現在16等級で5万円程度の保険料の人の場合、一度事故で等級が落ちれば11万円を越す影響を受けてしまうということになります。


小さな損害では車両保険を使えなくなった

軽自動車に限らないですが、上の試算結果は何を物語っているのでしょうか。

軽自動車の任意保険の使い方で一番影響を受けるのは車両保険ではないでしょうか。

従来の通常等級での3等級ダウンでも結構な影響額が出るため、数万円の修理のために車両保険を使おうとしても代理店の方から「等級ダウンの影響額の方が大きくなるから保険を使わない方が得ですよ」といわれた方も多いと思います。

ところが事故有等級の適用後は、数万円どころか10万円の修理でも車両保険を使うかどうかは考えものだということになります。

ですから軽自動車に限らず任意保険では「免責なし」の車両保険は意味が無くなったといってもいいかも知れません。

高い保険料で「免責なし」にしても、5万円とか7~8万円とかの損害では車両保険を使う方が損になってしまうからです。

これから軽自動車に車両保険を付ける場合は、こすり傷とか凹みなど小さい損害の場合は自前で修理するという腹を決めて付ける必要があります。

そして少なくとも5万円、できれば10万円の免責金額を設定して保険料を安くした方が合理的だということですね。

まとめ

2013年10月からの「事故有等級」の適用で、事故を起こした翌年からのペナルティーがかなり厳しいものとなりました。

このため軽自動車に車両保険を付けていても、小さな損害で気楽に保険を使うというわけにはいかなくなり、車両保険は大きな事故の時のためと割り切る必要が出てきました。

車両保険を付ける際、これからは免責金額の設定が欠かせないと思います。


※この記事を読んだ人は次の記事も読んでいます。

任意保険の等級制度

任意保険の免責~任意保険の基礎

任意保険の基礎~車両保険

車両保険は免責金額がポイント

等級プロテクト特約が消えようとしている

このページの先頭へ

inserted by FC2 system